“うつ”で“ゲイ”なysyの【備忘録】

“うつ”で“ゲイ”なysyの【備忘録】

大阪に住む『ゲイ』で『うつ』いろいろマイノリティーな男(35歳)の備忘録

【ネタバレ】『シェイプ・オブ・ウォーター』から垣間見れた愛のかたち (ysy #19)

今さらですが…w

去年公開され大変好評だった作品!!
今年6月にDVD化され、今頃になってですが鑑賞しました。


相棒と一緒にレンタルビデオ店に行っても、好みがまったく違うふたり…

毎度、折り合いをつけるのに時間がかかりますw

珍しく(?)この映画はふたりとも「観たい!」となり早速レンタル。
「話題になった作品」という情報以外、全く前情報のない僕と相棒。


相棒は最近、超多忙だったため、DVD上映し出して5分で爆睡…
何度起こしても爆睡…w

 

出だしの、ゆったりとした音楽が子守唄代わりになったようです…^^;

んで、結局ひとりで鑑賞しましたw

作品概要

[あらすじ]

1962年、アメリカ。

政府の極秘研究所で清掃員として働くイライザはある日、施設に運び込まれた不思議な生きものを清掃の合間に盗み見てしまう。

“彼”の奇妙だが、どこか魅惑的な姿に心を奪われた彼女は、周囲の目を盗んで会いに行くようになる。

幼い頃のトラウマからイライザは声が出せないが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は必要なかった。

次第に二人は心を通わせ始めるが、イライザは間もなく“彼”が実験の犠牲になることを知ってしまう。

“彼”を救うため、彼女は国を相手に立ち上がるのだが--。

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』オフィシャルサイト| 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント より

個人的な感想

この映画は、シンプルに言うなら“人間のような?そうじゃないような?生き物とのロマンス”を描いた作品です。

 

なんとなくですが、昔どこかで観た、「人魚とイケメン」との禁じられた愛を描いた作品の男女逆ヴァージョンを連想しました。

 

このタイプの作品として、僕が比較的はっきりと覚えているのは
美女と野獣「リトル・マーメイド」です。
(なんか…どっちもディズニーですみません 汗)

リトル・マーメイド

 

しかし、それらの作品と決定的に違うのが、ヒロインである“イライザ”不思議な生き物である“彼”はふたりとも「若く美しい」という印象とは、申し訳ないのですがかけ離れている点です。

 

冒頭のシーンで僕は「え?この人がヒロインなの?」と…
失礼ながら感じてしまいました。

 

しかし、中年女性という感じのするイライザは、とても魅力的なキャラクターです。

彼女は、とても繊細で聡明で、それでいてハッキリとした意思のある、どこか凛とした女性の様に感じました。

 

一見、彼女は人間関係に恵まれているように見受けられます。
しかし普段の生活は、手話でしか自分の意思を伝えることができない。

話を聞いてくれるのは、一緒に暮らすゲイで画家ジャイルズ
それと、10年同じ施設で一緒に掃除婦の仕事をしている黒人の同僚ゼルダだけです。

シェイプ・オブ・ウォーター

 彼女のキャラクターを考えれば、きっと話したいことや伝えたいことが沢山あるだろうに、伝える手段がとても少ないのです。

 

きっと『生きづらさ』や、『自由ではない』ような感覚を持っていたのではないか?
と、勝手に感情移入してしまいました。

 

舞台は1962年のアメリカ。

職場では同じく生きづらさを抱える黒人のゼルダ
私生活ではゲイのジャイルズ。

 

生きづらさを抱える者同士でしか、共鳴し合えることができなかったのかもしれません。


そんな中、イライザの施設にやってきた不思議な生き物である“彼”
“彼”は、何の罪も背負っていないのに、閉じ込められ鎖で繋がれています

シェイプ・オブ・ウォーター

 

日々、楽しく過ごしつつも、どこか閉塞感を感じているイライザは、
そんな“彼”と自分を重ねたのかな?と思いました。

 

“彼”を最初は気の毒に思い、労わり、時間を共有する日々を過ごし、時には一緒に音楽を楽しむことができた。

 

イライザにとって、徐々に“彼”が、ただの“不思議な生き物”ではなく、感情や感性を持ち、優しさと怒りを抱えた友人であるかのような感情が芽生えていきます。

 

イライザの心の移り変わりが、とても繊細に美しく描かれいました。

 

次第にイライザ“彼”脱獄作戦を実行し、なんと成功

 

しばらくして…

施設長であるストリックランドは行方不明になった“彼”を見つけ出すため、必死に関係者に話を聞いて回ります。

 

もちろん、イライザゼルダもストリックランドから、何か知らないか?聞かれるわけですが、そのときにイライザが感情的になりとった行動が印象的でした。

 

手話で「Fu*k You」とストリックランドを罵ります。

「私は怒っている」とどうしても伝えたかったのです。

 

しかし、その様子を見かねたゼルダは、
「彼女はありがとうと言っている」
と間逆の言葉をストリックランドに伝えます。

 

自分の怒りさえ表現することができない…

なんだかとても…胸が締め付けられる思いがしました。

シェイプ・オブ・ウォーター


また、この映画が“人魚姫”などが出てくる他の作品と違う点は…

“彼”との結構リアルなラブシーンがある点でしょうか。

 

この手のロマンスモノって、キスとかはあってもそこまで踏み込んだ表現をするイメージがなかったので、大変驚きました。

 

もしかしたら、グロテスクと感じる方もいるかもしれません。

しかし、それまでの彼女の気持ちになって、この映画を観ていれば、僕としては特に違和感はありませんでした。

シェイプ・オブ・ウォーター


クライマックス、ふたりはどうなったのか?
曖昧なまま終わります。

 

リアルな描写のある映画ではありますが、最後を曖昧にすることでファンタジーならではの味わいが感じられて、個人的には好きな終わり方でした。


映画全体を通して…
恐らく、差別やマイノリティに対する偏見は“無理解”から始まるものなんだよ…
と、この映画は伝えたいのかな?と感じました。

 

シェイプ・オブ・ウォーター

僕的には、二度 観ても楽しめる映画。


相棒は残念ながら観れませんでしたので、また機会があれば一緒に観たいなぁと思います。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村